まるぼに会いたい

大事件

連休明けにゆり組のお部屋では大事件が起きました。
風が強い日で、窓をしっかり占めてお礼拝に行ったのに、戻ってみるとお部屋の中がぐちゃぐちゃです。
「なんかこわい~」「誰がしたのかな?」「ほかのクラスにも聞いてみよう」ゆり組の子ども達は幼稚園中を探して回りました。

次の日、ゆり組に手紙が届きました。「昨日はごめんね」差出人は「ぼさこう」です。「え?ぼさこうって、へんてこ森のお話に出てくる、あの『ぼさこう』?」子ども達が大好きなお話の仲間が幼稚園に来たらしいのです。手紙には「まるぼがいなくなった」とありました。子ども達は幼稚園や近所の公園を探しました。でも、いません。

「そうだ!遠足で井の頭公園に行くじゃない」まるぼが好きな森のある公園です。子ども達は遠足までのカウントダウンを始めました。

ぼさこうから手紙が届いたよ
「まるぼがいなくなったんだって」
「みんなで探そう」
この公園にはいませんでした。

いよいよ遠足へ

遠足当日はとても良いお天気。子ども達はお休みの子もなく、全員元気に集まってきました。
お祈りをして出発。
「まるぼを探すぞー!」
「おー!」
「なんだ!?」
「まるい跡があるよ」
「まるぼの足跡じゃない?」
「この窓が怪しいね」
途中で「おなかすいたー。おべんとうまだー?」「まだ10時よ」と言い出す子ども達。お弁当も楽しみです。
「あ、木の上に何かある」「まるぼの…ふた?」「えーっ!」
 
「木の上に何かあるよ」
「まるぼの…ふた?」
「えーっ!」
「まるぼは気がついていないのかな?」
「まるぼを探して教えてあげなくちゃ」
お弁当を食べる野原を隅から隅まで探します。
「おなかすいたー」
待ちに待ったお弁当をたべて、野原で遊んでいると…
「さっきあったところにふたがないよ!」
「え?ふたがなくなったの?」
「みんなが食べ終わったらまるぼ鬼をしようよ」
「まるぼが遊びに来るかもしれないよ」
それでもまるぼは現れず、お家の方との待ち合わせ場所へ行くことにしました。
途中大きな切り株がありました。皆の地図にある切り株です。
そこになんと!まるぼのような形をした包みが置いてありました。子ども達はびっくり。
中から出てきたのは…
まるぼからのプレゼントでした。
まるぼはみんなのことを見ていたのかしら。
いつか本当に会えるかな。